みなし残業とは、給料や手当ての中に元々残業代が含まれている賃金体系の事です。本来はみなし労働時間制と言って、研究職や専門職、営業職の様な勤務時間が不規則になりやすい職業のためにある制度です。実際に働いた時間ではなく、一定の時間を働いたと「みなし」て給料を支払う事になります。これと同じ様に残業の多い職場などでは、あらかじめ月何十時間かの残業をしたものとして給料を設定する事があります。
みなし残業の利点は、働く側からすると例え残業時間がそれよりも短くても、決められた残業代が貰えると言うメリットがあります。残業のあるなしで月の給料が変動するのは、良い時もありますが困ることもあるでしょう。
一方会社側からすると、いちいち残業代の計算をしなくて済むので手間が省けます。しかし、みなし残業には問題点も多くある様です。良くあるのが、みなし残業として決められている残業時間をオーバーしているのに、その分の残業代が支払われないケースです。みなし残業自体は違法ではありませんが、オーバーした残業代が支払われないのは労働基準法違反です。しかし実際には、残業が少ない時もみなし残業代を払っているのだからと言う理由で、支払われない事もある様です。さらに、実際の残業時間が少なかった場合、休日出勤や深夜早朝出勤を会社に強制される場合もあります。また給料からみなし残業代を除くと、法律で決められた最低賃金を下回っている場合があります。これも違法になります。
新たにみなし残業の手当て(営業手当てなどの名目で)を新設した場合、基本給がその分減額されていたと言うケースもあります。これは給料の総額は変わらないのに、残業手当が実質なしにされています。これも割増賃金を逃れるための違法行為として認定されています。
この様にみなし残業は、いわゆるサービス残業の温床となる事も多い様です。みなし残業は、就業規則や雇用契約書に必ず記載しなければなりません。何かおかしな点があったら、労働基準監督所に相談してみましょう。